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【コーズ・リレーテッド・マーケティング】社会貢献性で心を動かしたアメックス

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顧客や生活者に好意的な印象を抱いてもらうマーケティングの一つに、【コーズ・リレーテッド・マーケティング】があります。このマーケティングが初めて行われたのが1981年にクレジットカード会社のアメリカン・エキスプレス(通称アメックス)が行ったキャンペーンです。

サービスを利用することで社会貢献に

アメリカで行われた同社のキャンペーンは、アメックスのカードを利用するごとに、サンフランシスコ地区で芸術活動を復興してい団体に2セントが寄付されるというものです。コーズ・リレーテッド・マーケティングは、こういった社会貢献を目的としたプロモーションを行うマーケティングです。

さらに同社は1983年にも<自由の女神修復キャンペーン>を行い、170万ドル(1ドル100円計算で1億7千万円)もの寄付金を集めました。

社会貢献したい!という欲求を満たす

アメリカン・エキスプレスが行ったキャンペーンは、社会貢献性の高い行動をしたいと思っている人々の欲求を満たし、寄付金を集めることで実際に困っている人の一助となり、同社のカード利用率も30%も増加させたという、誰も損をしなかった素敵なキャンペーンです。あえて損というならば、寄付金を支払ったアメックスがお金的な意味では負担をしているでしょうが、それ以上に社会貢献性の高い会社であるというイメージを世に知らしめることができました。

企業イメージアップには効果的だが…

コーズ・リレーテッド・マーケティングは企業イメージをアップさせる効果が見込めますが、肝心の本業が社会貢献性の低い事業では効果が期待できません。

社会貢献をしたいという顧客の欲求とよいサービスを利用・購入したいという消費行動を掛け合わせることがコーズ・リレーテッド・マーケティングの本質です。

まとめ

・コーズ・リレーテッド・マーケティングは消費者の社会貢献をしたいという欲求を満たすマーケティング

・サービスを利用する顧客・企業・実際に困っている人、すべてが潤う仕組みを考える

・キャンペーン内容が良くても、肝心のサービスに魅力がないとこマーケティングは機能しない

現在ではアメリカの広告市場でも広がりをみせている手法です。日本のように社会の治安がよい国では社会貢献したいという欲求は生まれやすいですが、発展途上の国、とくに身の安全が確保できない環境の国では安全の欲求が優先されるため、効果は薄いとされています。